気候変動　―　知ることと思い込むこと

30.10.2021 | www.kla.tv/20366

気候変動　―　知ることと思い込むこと 気候というものは政治やメディアがつねに繰り返し宣伝しているように簡単に影響を被るものなのでしょうか？多くの人は関連する圧力団体が噛んで含めるように教える見解で納得してしまい、自分で徹底的に調べるにはこの問題は複雑すぎるという人も少なくありません。経験豊かな気象学者にして物理学者のヴェルナー・キルシュタイン博士は、世界全体や各地域の気候変動プロセスの科学的解明に40年間取り組んできました。その著書『気候変動 – 現実か、誤謬か、嘘か？知と信の狭間で揺れる人間』で、気候変動で争点になっている事実を誰にも分かりやすく説明しています。キルシュタイン博士は特に気候変動が同時に現実でも誤謬でも嘘でもあることを示しています。一見するとこれら３つは相反するようですが、そのどれも真実なのです。どうして？簡単に読める200ページほどの著書において、キルシュタイン博士は多くの問題を取り上げています。以下において争点のいくつかにスポットを当てましょう。以下はキルシュタイン博士の著書からの引用や要約です。 気候変動は現実 地球の気候はつねに変動しています。つまり気候変動は現実です。ただしそれは自然の気候変動です。気候変動の痕跡は気象学者や地質学者によってすでに長い間研究されており、特に木の年輪、地層の分析、地形の変化等の調査によって明らかにされています。温暖期と寒冷期の交替に伴い、つねに少し遅れて二酸化炭素濃度も変化してきました。まず気温が上昇し、それを追いかけて二酸化炭素濃度も上昇します。温暖期と寒冷期で気温の較差は10℃もあります。たとえば現在の気温は地球の歴史の温暖期と比べて10℃ほど低いのです。二酸化炭素濃度も過去においては現在よりはるかに高い時期がしばしばありました。気温の変化はつねに太陽活動や地球の公転軌道のような自然の原因によるもので、人間が何らかの形で気候の変化を引き起こしたことはありません。ドイツ物理学会は1986年に、キーリング曲線という誤った統計学に依拠した「グローバルな気候破局の脅威」なるものに騙されるなと警鐘を鳴らしました。キーリング曲線は気候と二酸化炭素濃度の見せかけの相関関係を呈示します。そしてそれに基づいて、地球の気候は大気中における二酸化炭素等の温室効果ガスの量に依存するとの主張が行われたのです。この大きな誤謬に立脚して行われたコンピュータシミュレーションやモデル計算は当然つねに温暖化の予測を出しました。その気候モデルにおいては過去における気候変動も雲の動きや海流も考慮されていません。そうやって虚偽の予測が導き出されたのです。国際機構委員会(IPCC)でさえ2001年に次のように認めています。「気候研究と気候のモデル化に際して私たちは気候というものが複合的なシステム、非直線的な混沌としたシステムであることを認識すべきである。したがって気候の長期的予報は不可能である。」 気候変動は嘘： 「地球温暖化」という政治的脅迫は信じられないほど巨大なモンスター級の嘘に膨れ上がり、2019年でもまだEU議会は「気候緊急事態」と騒ぎ立てていました。しかしますます多くの科学者が、そして少なからざる政治家も国際気象委員会のこの黙示録的な宣言に背を向けています。様々な研究や気温曲線が虚偽であったことが暴露されました。例えばホッケースティックグラフは、12世紀に比較的長い温暖期があった実際の気温変動を平坦化し、1900年頃からの気温上昇を工業化による二酸化炭素排出のせいにするために800年間は気候は一定だったと信じ込ませるものでした。この嘘はすでに暴かれたにもかかわらず、この「政治的に優遇」された研究に国の助成金が注ぎこまれています。 いわゆる人為的な気候変動は信ずべき教義となっており、その教義を守るために真実はなんとしても抑圧しようというわけです。気象と気候は同じではありません。既に100年以上前に気候学は、正確な気象予報を行うために少なくとも過去３０年に記録された気象データや気象パラメータを材料にして判断を下すことにしました。気候とは実際には過去の膨大な気象データの集約に他ならず、したがって気候は人間が保護できるようなものではありません。気候は長期的かつ大規模な観測の対象でしかありません。主流メディアの御用気象学者は、ちょっと暑くて乾燥した日があれば、それをもう異常気象だと解釈し、すでに始まった気候の破局の証拠だと言うのです。しかし気候の破局だとして市民に示されるものは、一時的、局所的な気象現象に過ぎません。政治や主流メディアは市民を不安にさせ、欺くために、気象や気候という概念を意図的に曖昧にしているのでしょうか? 将来への不安に取り憑かれた人々に「気候目標」を納得させ、環境税やその他の価格上昇に同意させることは簡単です。ポツダム気候影響研究所(PIK)の気候学者も、パニックを作り出すために気象と気候の混同を積極的に利用しています。これらの気候学者にとって重要なのは、気候変動を警告する研究への助成金なのではないでしょうか？ 国際機構評議会(IPCC)の役割 気候変動評議会(IPCC)は1988年に国連環境計画(UNEP)と世界気象機関(WMO)によって設立されました。ヘルムート・シュミット元ドイツ首相は、2011年行われた地球温暖化に関するベルリン演説でIPCCに対する不信感を表明しました。「特に気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の研究者の一部が詐欺師であることが証明されているため、IPCCがこれまでに公表した文書には疑念が持たれる。」IPCCに当初参加した2,500人の専門家のうち、人為的気候変動という仮説に固執した人はわずか5人でした。それにもかかわらず、現在IPCCの舵を取る政治家たちは、単なる仮説にすぎないモデルとイデオロギー的アプローチを盲目的に信頼しています。気候の専門家が実際にIPCCに在籍していたのは1980年代初めだけです。問題は、IPCCが何故これほどまでに非科学的にプロパガンダを流すのかということです。IPCCの実情に精通している人たちの証言により、人間が気候の破局を引き起こすという神話が金銭的利益を生み出すことは明らかになります。莫大な資金の受益者の中には、アル・ゴア元米副大統領、ウォーレン・バフェット、納税者の血税から15億米ドルを受け取ったイーロンマスク 、ヴィノッド・ホスラ、ジェームズ・キャメロンなどの個人がいます。「ダマスカスの啓示」によってサウロがパウロになったように、気候学者ジェームズ・ラブロックは破局を警告する予測が間違っていたとインタビューで説明しています。彼は気候破局の予測の根拠となったモデルを徹底的に再検証したところ、これらのモデルは根拠として薄弱であることが分かったのです。「問題はまだ気候について分かっていることがあまりにも少ないということだ。２０年前、私たちはすべてを知ったつもりでいた。だから破局を警告する本がいくつも出版され、その一つが私の本だ。そのときは全てが明確だと思えた。ところが予測したことは起きなかった。気候は通常の営みを続け、基本的には何も異常なことは起きなかったのだ。私たちは今日地球の過熱への途上にあると考えていた。しかし世界は2000年からほとんど温暖化していない。気温は上昇するはずだったのにほぼ一定のままだ。同じ期間に二酸化炭素濃度は増加し続けている。その点は間違いない。 気候変動：思い込むことと知ること ヴェルナー・キルシュタイン博士はその著書で「思い込み」と「知」について語っています。ここで3つの例を挙げましょう。 1. 「思い込み」: 古い写真は長く伸びたアルプスの氷河を示し、それに対して最近の写真は氷河の後退を示している。迫り来る気候の破局を知らせるサインなのか? 「知」：現在の氷河のない地域の木と植物の残骸を調べることで、以前もここに氷河が存在しなかったことが証明されました。このような証拠から、過去10,000年間の65パーセントの期間においてはアルプスの氷河は現在より小さく、気温は現在より高かったと結論づけることができます。人間の介入なくしてです！ 2. 「思い込み」:シロクマの生息数は人為的な地球温暖化によって危機的なほど減少している。 「知」：シロクマは６０万年前から北極海に生息しています。つまり、シロクマは全ての温暖期（間氷期）を生き延びてきているということです。温暖期にはシロクマは草や枯草やベリーを食べ、それゆえに賢いハンターだとされています。カナダ政府がシロクマを禁猟として以来、シロクマの生息数は5,000頭から25,000頭に増えているのです。 3. 「思い込み」：北極と南極の氷がどんどん解けている。有名なラーセンB棚氷はその氷塊の4分の3を失っている。北極と南極の氷が完全に消えるのは時間の問題だ。 「知」：数十年も前から北極と南極の気温が逆の変動は分かっています。即ち、南極で気温が下がっているとき、北極で上昇しているのです。この現象は「双極振動」または「両極連結」と呼ばれるものです。 状況を厳密に観察すると、違った光景が見えてくることが分かります。現在の気候論争では、事実認識と矛盾していても、感情に訴える説得力が優勢のようです。エコ・ニヒリズムとは何でしょうか?フランスの作家、哲学者、ノーベル文学賞受賞者のアルバート・カミュによると、ニヒリズムとは何も信じないことではなく、あるがままを信じないことです。ニヒリストは、多くの場合、善と思い込んだことを達成するためにできる限りのことをしますが、その結果には注意を払いません。しかしその結果、科学的、論理的思考の原則が完全に無視され、深刻な事態が引き起こされる可能性があります。ニヒリズムは善だと思い込んだ目的のためなら人間の尊厳を侵害することも厭いません。エコ・ニヒリズムでは、環境を救おうという誇張された頑固な意志が前面に躍り出てきます。それは呵責なきエコ・テロと呼ばれることもあるイデオロギーです。『エコ・ニヒリズム:政治エコロジーの批判的考察』の著者エドガー・ゲルトナーは、気候保護こそニヒリズムの現在最も危険な形態である見ています。ゲルトナー:「エコ・ニヒリズムとは何か?費用を無視して一か八かの勝負に賭ける分割払いの経済的自殺」。「気候政策」は統計操作による楼閣を守るために、何も考えずにエネルギー価格や食料品価格を(意図的に)高騰させて食糧危機を厭いません。「再生可能」なエネルギーを利用して二酸化炭素は排出を抑えるという「気候保護」は、思慮の足りない愚かな考えです。太陽エネルギーや風力エネルギーはただではないのです。それ以外のエネルギー源も含めて、脱炭素のための技術転換の費用は莫大です。 気候緊急事態を利用した民主主義の転覆 EUはかなり前から気候緊急事態を宣言しており、多くのドイツの都市はすでに民主主義を否定した世界に移行しています。緊急事態を口実にして反政府勢力の排除が画策されています。論拠がどうであれ、イデオロギー的な目標に向かって突っ走るのです。しかし極端な要求が突きつけられると、巨大な社会的、経済的衝突の可能性が生じます。緊急事態という概念は法治国家を揺るがす道を開くものなので、大きな懸念が持たれます。 気候憲章 バイエルン価値観同盟は2020年の初めに気候憲章を発表しました。ここではその要点だけを簡単に紹介します。 1. 気候を左右するのはCO2ではなく、太陽である。 2. エネルギー転換の失敗が示すように、気候保護対策は政治的愚策である。 3. ドイツは安定した手頃な価格のエネルギー供給を必要とする。 気候憲章2020でこれらの点が詳細に説明されています。バイエルン価値観同盟は特に「連邦政府の気候パッケージ」による「グリーンディール」とCO2の価格設定を断固として拒否しています。気候憲章は気候神話の終結と「気候、太陽周期および二酸化炭素」に関する積極的教育を要求しています。詳細については、バイエルン価値観同盟の気候憲章2020を参照してください。政治が人々を従順にする方法は不安とパニックだけです。そのために今使われている手段が気候破局という脅迫です。しかし数年後に新しい小氷期の到来が否定しようもなくなったとき、「気候学者」、地球温暖化の政治家、気候プロパガンダのジャーナリストに対してこう言ってやりましょう。「森に向かって呼びかけ、エコーが違った言葉で返ってきたとしても、それを受け止めなければならない。」 ヴェルナー・カースタイン博士 https://konservativer-aufbruch.bayern/

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情報源/リンク ヴェルナー・キルシュタイン教授の著書：「気候変動-現実、誤り、それとも嘘？」知識と信念の狭間にある人々 https://konservativer-aufbruch.bayern/